太宰治の遺書と言われてる「人間失格」の面白さとは?
ども、「人間失格」を読んでだいぶ影響を受けてしまってるaileと申します!
読んでいるうちに本当に人が怖くなるような感覚に何度も陥ってしまいました。笑
いやー危ない危ない。
これから紹介していくうえで多少のネタバレがるのでご了承ください。
本の紹介
タイトル「人間失格」
著者「太宰治」
本名は津島 修治と言い自殺未遂や薬物中毒を克服し戦前から戦後にかけて多くの作品を発表。没落した華族の女性を主人公にした『斜陽』はベストセラーとなりました。
他の作品として「走れメロス」、「津軽」、「パンドラの匣」があります。
あらすじ
「恥の多い障害を送ってきました」 三枚の奇怪な写真とともに渡された睡眠薬竜読者の手記には、その陰惨な半生が克明に描かれていた。
無邪気を装って周囲を欺いた少年時代。次々と女性と関り、自殺未遂を繰り返しながら薬物におぼれていくその姿。
おすすめポイント
作品テーマ”人間が怖い”。いやー人を信じれないのはなかなか死活問題です。
現在でも同じことが言えますよね。
裏切られるかも、本当の気持ちがわからない、 人の顔をうかがいながら行動…
あれ…怖いことだらけ…?笑
人の気持ちがわからず怖い→自分を守ろうとする→周囲を欺くため道化となる(ドジをする)
葉蔵(太宰治)このような発想に至ったわけです。
わざとドジを踏み、周囲の笑いを取ろうとすることで”人との繋がり”を求めたのではないでしょうか。
人の気持ちがわからず…と書きましたが、ドジをすれば人が笑うという感情は理解出来たということになりますね。
はしがきが面白さを倍増
とても大事な”はしがき”。かなり大事な”はしがき”。凄いだいj(ry)
約4ページくらいですが内容を読み解くうえで大事なポイントとなっています!
私は、その男の写真を三葉、見たことがある。(P6)
つまり、葉蔵の写った写真が3枚あるということです。
1枚目→10歳前後と予想される幼年時代の写真。ここに写っているのは子供の「可愛らしさ」などない、どこか嫌な気持ちを感じる。
2枚目→学生時代の写真。とても美貌で足を組みながら笑っている。しかし、そこには人間味を感じない笑いで、やはりどこか気味が悪く感じる写真。
3枚目→もはや歳がわからない写真。部屋もひどく散漫しており、顔も特徴が全くない。人間味を感じられず、見ていると不愉快になる。
さてさて、3枚の写真を比べてみると何か”共通点”がありますよね。
そう…3枚とも見ていて嫌な気持ちになる、ということです。
3枚の写真を読み通して、「葉蔵(太宰治)はいったいどんな人だったんだ…?」と、想像を掻き立てられる”はしがき”です。
ここを読んで私はとてもワクワクしました。(読んでいくうちに気持ちは沈みましたが…笑)
女性との関係
主に3人の女性と関係を持ちます。
①カフェで知り合ったツネ子。夫がいますが詐欺罪で捕まっており刑務所にいます。
2人で心中を図ったが葉蔵だけ生き残り、実家からも縁を切られ警察に連れていかれます。
②雑誌社で務めているシヅ子。夫がいましたが死別してしまい、5歳になるシゲ子という子供がいます。
幸せそうな二人を見た葉蔵は、幸福を恐れて逃げ出します。
③17~18歳ぐらいのタバコ屋で働くヨシ子。疑うことを知らず何にでも疑わない少女。
その性格が災いし、ある時、無理やり別な男に抱かれてしまう。
幸せを感じていた葉蔵だったが、それ以降ヨシ子とは微妙な関係になってしまう。
本人がかなり美貌なだけあって、それなり…いやかなりモテ男です。
個人的に一番印象に残った所は②のシヅ子のお話で出てくる文。
してその翌日も同じことを繰り返して、
昨日に異らぬ慣例に従えばよい。
即ち荒っぽい大きな喜びを避けてさえいれば、
自然また大きな悲哀もやって来ないのだ。
ゆくてを塞ぐ邪魔な石を
蟾蜍(ヒキガエル)は廻って通る。
出典:人間失格 P112
大きな喜びを感じてしまえばその後に大きな悲しみが来るということです。
3DSを買ってもらい喜んでたら、壊れてしまい泣く子供とか…
葉蔵は自分のことを”蟾蜍”と言っており、何よりも幸福になること自体を恐れていたと思います。
そのため、幸福そうな2人をみて怖くなり逃げ出してしまったのです。
逃げだすシーンにグサッと心に来ました。
かなり名言もあるのでどこかは心に残る文章があると思いますよ!
まとめ
落ち込んだときに読むとかなり気持ちが沈む可能性がありますので、気分が良い時に読むことをお勧めします。笑
本編は167ページと全然厚くないので気軽に読めると思います!
さて、今回はこの辺で。
ではでは!